腎臓内科
更新日 令和7年10月30日
腎臓内科とは
腎臓内科は、腎臓の病気を専門的に診療する内科です。
腎臓の機能低下(腎不全)や、尿に異常がある状態(タンパク尿・血尿)を診断・治療し、腎臓の働きを長期的に維持するための薬物療法や生活指導を行います。
特に、慢性腎臓病(CKD)の進行を抑えることに重点を置き、末期腎不全に至った場合の透析療法(血液透析・腹膜透析)の導入と管理も担当します。また、腎臓病を引き起こす高血圧や糖尿病などの全身疾患の管理にも深く関わります。
対象疾患・症状
主な対象疾患
当科では、腎臓そのものの病気から、全身の病気が原因で腎臓に影響が出ている疾患まで幅広く診療しています。
- 腎臓の病気:慢性腎臓病(CKD)、腎炎・ネフローゼ症候群、急速進行性腎炎(RPGN)、急性腎障害
- 腎臓を障害する全身疾患:糖尿病性腎臓病、高血圧性腎硬化症、膠原病などの全身疾患に伴う腎症
- 末期腎不全:血液透析や腹膜透析など、透析療法の導入と管理
主な症状や所見
健康診断などで以下の異常を指摘された場合は、腎臓病のサインである可能性があるため、ご相談ください。
- 検尿異常:蛋白尿(尿に泡が立つなど)、血尿(尿が赤っぽい、または顕微鏡的血尿)
- 自覚症状:むくみ(特にまぶたや足のむくみ)、息切れや倦怠感(腎機能低下による貧血や心臓への負担)
- 生活習慣病:高血圧、糖尿病、高脂血症などで腎機能の低下を指摘されている方
- その他:原因不明の腎機能低下(血液検査でeGFRやクレアチニンの異常)
当科の方針
当科では、蛋白尿・血尿などの早期サインを見逃さず、針腎生検も活用した早期診断と積極的な治療により、腎機能低下の遅延を目指します。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病のコントロールを徹底し、患者さん一人ひとりのリスクに合わせたきめ細かい治療を行います。
末期腎不全に至った場合でも、血液透析・腹膜透析の導入、合併症の管理を可能な限り院内で完結させる一方で、移植を検討する場合などでは他科や地域の医療機関と連携して包括的な腎臓病医療を提供します。
診療実績
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
|---|---|---|---|
| 血液透析(IHD)導入 | 27 | 35 | 33 | 
| 緊急透析(急性腎傷害、慢性腎不全の急性増悪など) | 4 | 3 | 5 | 
| 維持透析患者の入院維持透析 | 23 | 53 | 56 | 
| 持続的緩徐式血液浄化及び血漿吸着(エンドトキシン吸着) | 1 | 1 | 4 | 
| 血漿吸着(ビリルビン吸着、LDL吸着、吸着式血球成分除去) | 0 | 2 | 0 | 
| 血漿交換(単純血漿交換、二重濾過血漿交換) | 3 | 6 | 3 | 
| 腹水濾過濃縮再静注(CART) | 2 | 5 | 7 | 
| 腹膜透析(CAPD) | 2 | 1 | 1 | 
手術実績
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
|---|---|---|---|
| 内シャント造設術 | 26 | 32 | 21 | 
| 内シャント再造設術 | 1 | 1 | 0 | 
| 血栓除去術 | 1 | 0 | 0 | 
| グラフト留置術 | 0 | 0 | 0 | 
| 動静脈表在化 | 1 | 1 | 0 | 
| 経皮的血管形成術 | 7 | 2 | 4 | 
| 長期留置カテーテル挿入術 | 1 | 3 | 4 | 
医師の紹介
増田 真一朗(科部長)
卒業年 平成14年
医学博士
専門分野:腎炎、慢性腎臓病、腎硬化症
日本内科学会 認定内科医・指導医
日本透析医学会 透析専門医
日本腎臓学会 腎臓専門医・指導医
日本高血圧学会専門医
日本医師会認定産業医
身体障害者福祉法指定医(じん臓機能障害)
横浜市立大学医学部講師(非常勤)
三浦 隆彦
卒業年 平成22年
専門分野:腎臓病一般
日本内科学会 認定内科医
日本腎臓学会 腎臓専門医
臨床研修指導医
赤星 志織
卒業年 令和3年
専門分野:腎臓病一般
小林 太河
卒業年 令和4年
専門分野:腎臓病一般
山田 大雅
卒業年 令和5年
専門分野:腎臓病一般
