12月12日 地域医療支援研修会~もしもの時について話し合う対話力~
更新日 令和7年12月18日
地域での情報共有と連携強化のための研修会を茅ヶ崎市高齢福祉課と共同開催。
「もしもの時について話し合う対話力~もしバナゲームから学ぶACP~」をテーマに医療関係者など65名が参加

12月12日、当院講堂にて「令和7年度 第3回地域医療支援研修会」を茅ヶ崎市役所高齢福祉課との共催にて開催いたしました。今回のテーマは「もしもの時について話し合う対話力~もしバナゲームから学ぶACP~」。ACPとは、将来の医療やケアについて、本人があらかじめ考え、家族や医療・ケアチームと話し合い、その意向を共有する取り組みです。高齢化や医療の多様化といった背景の中で、近年ますます注目を集めています。

研修会ではまず、当院におけるACPの取り組みを紹介した後、小谷洋子先生にご講演いただきました。小谷先生は看護師として様々な診療科での勤務を経験したのち、特別養護老人ホームや訪問看護・在宅系看護の分野に携わりながらACPへの研究を深め、職員教育や研修講師、書籍の執筆などでご活躍されています。

講演では、小谷先生のご経験に基づいたACPへの向き合い方や、今日の医療現場におけるACPの現状などを具体的なケースを交えながらお話いただきました。参加者の多くがメモをとったり、熱心に聞き入っている様子が印象的でした。

講演の後半には、参加者同士でグループになり「もしバナゲーム」を体験しました。
「もしバナゲーム」は人生の終末期に関する対話を促進する目的で開発された米国初のカードゲームで、ACPの入り口として気づきを得るきっかけを提供できるツールとされています。近年は少しずつ医療や介護の現場で活用され始めており、茅ヶ崎市高齢福祉課でも普及啓発に取り組んでいます。

ゲームが始まると参加者は、自分にとって大切な価値観や選好が書かれたカードを決まった枚数だけ選んでいきます。賑やかな雰囲気のなかでも、自身の人生において大切なことは何かを真剣に考える参加者の姿が見られました。
「自分のことを見つめなおすきっかけになった」「他の参加者との意向の違いがとても興味深かった」などの声が聞かれ、それぞれの立場から相手の価値観を尊重し、想いを言葉にして伝えるむずかしさ、大切さを再確認する場となりました。

研修会には医師、看護師、保健師、ケアマネージャー、社会福祉士、薬剤師、理学療法士といった医療・福祉の専門職に加え、行政職員など幅広い職種の方々にご参加いただきました。遅い時間にもかかわらず、たくさんのご参加・ご協力をありがとうございました。

当院は、平成24年3月8日に神奈川県知事より「地域医療支援病院」としての承認を受けました。今後とも、地域の医療従事者を対象とした研修会等の開催を通じ、地域医療の充実及び連携推進に努めてまいります。
