人工関節手術支援ロボット「Mako(メイコー)」
更新日 令和8年1月5日
Mako(メイコー)とは

導入の背景
近年、高齢化の進行に伴い、変形性膝関節症や変形性股関節症など、歩行や日常生活に支障をきたす運動器疾患が増加しています。その結果、痛みの軽減や歩行能力の改善を目的とした人工関節置換術のニーズは年々高まっています。
こうした状況を踏まえ、当院では湘南東部医療圏域(茅ヶ崎市・藤沢市・寒川町)ではじめて人工関節手術支援ロボット「Mako(メイコー)」を2026年春に導入いたします。これにより地域にお住まいの皆さまの関節のお悩みに対して、より質の高い医療を提供できる体制の構築に努めてまいります。
人工関節ロボット「Mako(メイコー)」とは?
人工関節ロボット「Mako(メイコー)」は、整形外科領域で膝や股関節の置換手術を行う際に用いられる手術支援ロボットシステムです。人工膝関節全置換術(TKA)、人工膝関節単顆置換術(UKA・PKA)、人工股関節全置換術(THA)に対応しています。このシステムは、術者がより高い精度で手術を行えるようサポートするのが特徴です。まず術前にCT撮影を行い、患者さま個別の精密な3D画像を作成します。Makoはその画像に基づいて最適な手術計画を立て、実際の手術ではその計画に沿ってロボットが動作します。

Makoについて動画でご紹介しています
Makoの特徴や手術の流れを動画でご紹介しています。ぜひご覧ください。
(注)画像クリックで動画ページに切り替わります。
Makoの特徴
手術では、整形外科医がコンピューター制御のロボットアームを用いて骨の加工や人工関節(インプラント)の設置を行います。Makoが医師の操作をサポートし、安全性と精度を確保しながら手術を進めます。ロボットアームは手ぶれがなく、計画された軌道に沿って安定して動作します。また、自動的に動きを制御する仕組みが働くことでインプラントの配置がずれることなく、事前の計画通りに安全で高精度な手術を行うことが可能になります。
Makoのメリット
- 高精度な術前計画
- CT検査で得た骨格データをもとに患者さん一人ひとりにあった詳細な治療計画を登録し、計画に沿った手術を進めることで高精度の治療と高い再現性を実現します。
- 手術精度の向上
- わずかでも計画外の動きをすると自動的に停止するロボットアームにより、1ミリ未満の高い精度で骨を削ることができるため、人工関節をより理想的な位置に配置することが期待されています。
- 身体への負担の軽減
- 正確に手術が行えることに加え切除範囲も小さい低侵襲(身体への負担が少ない)手術が可能になるため、術後の回復にも良い影響が期待できます。
手術の流れ

手術までのながれ

はじめにかかりつけ医からの紹介で当院の整形外科を受診いただきます。整形外科医による診察によって、手術がよいか、保存療法がよいかご説明させていただきます。
手術適用となった場合は、入院予約を行い手術に向けた準備を行っていただきます。手術1日~2日前から入院いただき、入院期間は約2週間から3週間です。手術時間は約1時間です。入院中のリハビリ及び退院後も外来にてリハビリを継続します。
なお、Makoシステムによる手術は保険適用で受けていただくことができます。
手術のながれ~人工股関節全置換術(THA)の場合~
股関節は、大腿骨(太ももの骨)の上端(骨頭)が 骨盤のくぼみ(臼蓋)にはまり込むような形をしてい ます。関節の表面は軟骨でおおわれていて、衝撃をやわらげ、関節の動きをなめらかにしています。 変形性関節症などで軟骨がすり減ると、骨同士がこすれて痛みが出たり、関節の動きが悪くなるなど日常生活に支障をきたすようになります(画像左)。

まず、骨頭を切除し、大腿骨の内側を整えます(画像中)。次にロボティックアームを用いて骨盤(臼蓋)の表面を整えます(画像右)。

骨盤の表面を整えたらロボティックアームを用いて骨盤 (臼蓋)にインプラントを設置します(画像左)。次に大腿骨にインプラントを設置し(画像中)、各インプラント部品を設置することで人工股関節の設置が完了します。
手術のながれ~人工膝関節全置換術(TKA)の場合~
膝関節は、大腿骨(太ももの骨)の末端と脛骨(すねの骨)の上端にあります。関節の表面はなめらかな軟骨におおわれていて、関節周囲の筋肉によって自在に動かすことができます。 変形性関節症などで軟骨がすり減ると、骨同士がこすれて痛みが出たり、関節の動きが悪くなるなど 日常生活に支障をきたすようになります(画像左)。

まず、CT検査の情報と実際の骨を照合して骨を削る位置を確認します(画像中)。次にロボティックアームを用いて骨の表面を削ります(画像右)。

骨の表面を削り終えたら各インプラント部品を設置し人工膝関節の設置を完了します。膝蓋骨(膝のお皿)も手術する場合があります。
人工関節センター
当院ではこれまで、整形外科領域における骨折・靭帯損傷から変性疾患に至るまで、幅広い診療を展開してまいりました。なかでも、脊椎・脊髄疾患および膝・股関節疾患に対しては、より専門性の高い診療に積極的に取り組んでおります。
2022年度における脊椎手術および人工関節置換術の施行件数は、それぞれ100件を超え、年々着実に増加しております。こうした医療需要の高まりに対応すべく、当院では2023年8月より「脊椎センター」および「人工関節センター」を新設いたしました。これにより、より高度かつ専門的な医療を、より多くの患者さまに提供できる体制を整えております。
医師のご紹介
河野 心範(中央診療部長 兼 整形外科部長・脊椎センター長)

卒業年 平成8年
医学博士
日本整形外科学会 整形外科専門医
日本整形外科学会 整形外科脊椎脊髄病認定医
日本脊椎脊髄病学会 指導医
日本脊椎脊髄病学会・日本脊髄外科学会 脊椎脊髄外科専門医
身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)
臨床研修指導医
丹羽 陽治郎(整形外科副科部長・人工関節センター長)

卒業年 平成19年
日本整形外科学会 整形外科専門医
身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)
臨床研修指導医
井窪 元太(人工関節副センター長)
卒業年 平成28年
日本整形外科学会 整形外科専門医
宮田 寛之(脊椎副センター長)
卒業年 平成30年
日本整形外科学会 整形外科専門医


