神奈川県がん診療連携指定病院
更新日 平成30年5月7日
近年、がんは日本人のほぼ2人に1人がなると言われており、私たちにとって身近な病気となっています。こうしたなか、茅ヶ崎市立病院は2018年4月1日より4年間の間、市が属する湘南東部医療圏(藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)では初めて「神奈川県がん診療連携指定病院」に指定されました。
神奈川県がん診療連携指定病院とは
専門的ながん医療や緩和ケアの提供、地域のがん医療を担う医療機関との連携、またがん患者に対する相談支援や情報提供など質の高いがん医療を提供する役割を担う病院として、厚生労働大臣が指定する「地域がん診療連携拠点病院」と同等の機能を有するものとして、県知事が独自に指定する病院です。
神奈川県がん診療連携指定病院指定の背景
市が属する湘南東部医療圏では、乳がん、肝がん、化学療法、放射線治療の自己完結率が低く、他の医療圏へ患者さんが流出している現状がありました。そこで、これらの自己完結率を高め、身近な病院で専門的ながん治療を受けることができるようにするために、乳腺外科や緩和ケア外来の開設、またがん相談センターの設置などを進めてきました。これらの取り組みの結果、「神奈川県がん診療連携指定病院」として指定を受けることとなりました。
乳腺外科の開設
乳腺疾患の診療を専門とし、2016年4月に開設。要精密検査と診断された方や、乳房のしこり・分泌・違和感などの症状がある方の精密検査、および乳がんの治療を中心に行っています。線維腺腫や乳管内乳頭腫などの良性疾患の経過観察なども行っています。
緩和ケア外来の開設
2017年4月に開設。がん患者さんは、がん自体の症状のほかに、痛み、倦怠感などのさまざまな身体的な症状や、落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛を経験するため、身体的・精神的な苦痛をやわらげるためのケアを行っています。
がん相談支援センターの設置
がんについてのさまざまな不安や悩みなどの相談をお受けする「がん相談支援センター」を2017年4月に開設。患者さんだけでなく、家族の方、地域の方など、どなたでも無料で相談をお受けしています。
神奈川県がん診療連携指定病院指定により期待される効果と今後の取り組み
本指定により、茅ヶ崎市立病院で一貫した治療ができるようになることで、他市や遠方で治療していた時間を仕事や生活に有効活用し、自分らしい生活を送りながら治療に専念することができるようになることが期待されます。
今後は、入院せずに外来での化学療法による治療体制を充実させるべく、現在6床で運用している化学療法室を2019年度には12床に増床する予定です。また、引き続き「地域で完結できるがん治療」を目標とした、住み慣れた茅ヶ崎市の中で、安心して安全な医療の提供に取り組んでまいります。